有限会社ヤマト染芸







名古屋帯 【三笠山】

真糊糸目友禅・刺繍

 三笠山(現春日山)は奈良市街の東、春日大社の背景となっている山です。御蓋山とも書くこともあります。(山焼きで名高い現若草山とは違う) 世界遺産として指定されている春日山の原生林は楓の木が多く、紅葉のシーズンの景色はことのほか美しいく、春日大社の神山として太古の昔から狩猟や植物の伐採が禁止され、6千年前から変わらない森は精気に満ちあふれています。
 「万葉集」「古今集」などに収録された古歌には雌を呼ぶさ牡鹿など、「三笠山」と思われる大自然の秋を題材とした歌は多い。

古今和歌集巻四・秋上
詠み人知らず

 『奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の

         声聞くときぞ 秋はかなしき


ほかにも多数歌われております。

 ところで話は逸れますが、ウィキペディアによると
『若草山』の方は日本固有の野芝に覆われています。この野芝は近畿地方では若草山付近を唯一の自生地とする固有種で、この野芝の種(たね)は堅い殻に被われていて、鹿が芝の葉と共にこの種(たね)を食べ胃に入ると胃液と体温でこの堅い殻が溶けて発芽しやすい状態になります。種(たね)は未消化のまま糞とともに山に散布され発芽します。野芝は若草山でこの連鎖を繰り返し繁殖してきました。』(略)と記されています。
 古来より鹿が春日大社の神使とされて大切にされてきた本当の理由はここにあるのかもしれません。


   サムネイルに戻る